5strings-izm

5弦主義〜だって5弦でいいじゃない

Sadowsky Guitars Metro Series "MV5-24"(Burgundy Mist) 

私が使用している、あるいは過去に使用していた機材をご紹介する「機材」シリーズ

記念すべき第一弾は、私が現在メインで使用しているモデルをご紹介します。

その名は

Sadowsky Metoro MV5-24(Burgundy Mist)

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 メーカー(ブランド)

Sadoeskyとはどのようなメーカーでしょうか?

Sadowskyとは、ロジャー・サドウスキー氏がアメリカのニューヨークで1979年に、プロベーシストが使用するベースのリペアやメンテを行うショップを開き、そこでプロユースの機材を多数扱う中で得た知識や経験を基に立ち上げたショップブランドです。

現在は、30年以上のキャリアを誇るトップブランドにまで成長し、その質の良さから、プロ・アマチュア問わず多数のプレイヤーに支持されています。

 

ここで、本機を手にした頃のSadowskyベースのシリーズは、次の3つから構成されていました。

・本家ニューヨークでサドウスキーさん直々に監修した「NYC」

・NYCシリーズのスペックと完成度を維持しつつ、日本で手作りに近い形で作られた「TOKYO」

・NYCと同じラインアップを持ち、スペック及び材は変更せず、日本国内製造で、製造ラインを一部流れ作業化してコストダウンを図り、入手しやすい価格帯に設定した「Metro Series」

 

本機は、この「Metro Series」になります。

 

本モデルの一人のアマチュアユーザーとしての視点からのレビューです。

 

スペック

同封のスペックシートから、本モデルのスペックは次のとおりです。

 

      ■Body : アッシュ

■Body Shape : Sadowsky Original 5-24 

■Neck : メイプル 

■指板 : メイプル

■ペグ : Sadowsky 5string Tuner 

■フレット数 : 24 

■フレット型番 : Sadowsky Standard (Radius 12″) 

■トラスロッドナット: Spokewheel Nut 

■ピックアップ: Sadowsky Humcancelling J5 

■プリアンプ: Sadowsky Standard Bass Preamp 

■コントロール部: マスターボリューム/ ピックアップパン/ パッシブ時のトーン (引上げ式プリアンプのオンオフ切替スイッチ兼用 / トーンコントロール(Treble及びBass )

■ブリッジ : Sadowsky 5string Bass

 

私は、ベースに対して求める仕様は、ほぼ次のとおりで、あまり木材にこだわりは持っていません。基本スペックをクリアしていれば、あとはその違いを楽しむだけですから。もちろん、全てクリアしたものとなると限定されるので、多少、妥協はします。

(求める仕様)

・最低でも5弦

・24フレット

・弦間ピッチは18mm以上、19mmだと尚良

・ピックアップ配置は、いわゆるジャズベースタイプ(シングルコイルが2つ以上)

・アクディブタイプで、できれば電池ボックスが独立したタイプ

 

 

外観

ボディはアッシュ製です。和名でいうとモクセイ。木製なのに敢えてモクセイとはコレ如何に(笑)キンモクセイと同じ科ですね♪

巷では、アッシュ材ボディは、「くっきり・はっきり・ドンシャリ」と言われます。

しかも「重い」とも(笑)

さらに、一般的なベースよりも小ぶりなボディ(俗に言うディンキーシェイプ)です。

カラーは「Burgundy Mist」というピンクっぽい色を選択しましたが、もちろん定番の黒や赤等、多数のバリエーションが選択できます。

でも、この色も艶っぽくて気に入っています。

 

 持ってみた感じ(第一印象)

持ってみて真っ先に感じるのは、「(比較的)軽いな」ということですね。この個体は、計測したところ、3.9Kgです。4kg超えの機種もある事からすれば、軽量の部類に入れていいと思います。

手に持つと、ヘッド落ちするように感じますが、ストラップで吊るしたときには、ヘッド落ちはほとんどありません。ストラップで自分の好みの位置にセットすれば、ほぼその状態を保ってくれます。

身体にフィットするデザインと見事なバランスで、考えて作られているからでしょう。

ディンキーシェイプで軽量なボディだと、どうしてもバランスが悪くなり、「ヘッド落ち」という、嫌な状態になりがちですが、それを感じさせないのは、流石はSadowskyの面目躍如です。

 

 

音(トーン)

ま、ぶっちゃけた話、「優等生」という言葉が合うかなあ。これぞ天下のSadowsky様という音(ナンジャソリャ)。

具体的には、クセのない、今風のクリアな「ジャズベース」という音色です。

「スラップ」に合うドンシャリサウンドから、指弾きでの豊かな中音域まで、現代風のベースに求められるサウンドは、ほぼカバーできます。

指弾き・スラップ・ピック、これら全てにマッチした音が出せます。

私も実際、ライブで、スラップ全開のインストから、ダウンピッキングぶっ通しの8ビートロック、その後、ムーディーな昭和歌謡というセトリを、ピックアップパンスイッチや手元のトーンコントロールのみを用いて、この1本で事足りました。

 

アッシュ材という点は、当然出音にも影響はあるのでしょうが、搭載しているプリアンプが、それはもう、関心するくらい効きます。

アッシュだからとかアルダーだからとかいう視点では、正直、木材による明らかな違いというものは、特に目立って感じられません。

 

おすすめは、やはりスラッププレイです。

・本機が24フレット仕様で、スラップするポイントがブリッジに近いため、22フレット仕様のモデルよりも、高音域が出ていると思われること

・トーンコントロールもトレブルとバスで構成されており、低音高音重視と見受けること

・メイプル指板で、出音が「カラッとした」音であること(ローズ指板の機材をメインで使って来ましたので、その違いはボディ材よりも感じます)影響しているのかな。

エフェクターも、リミッターかますくらいに留めて、あとはアンプのみで、音色を堪能するのがおすすめ。

特にスタジオやライブで大アンプ鳴らすと、それはもう「ベース弾いてる」感を存分に堪能できます。

 

弾き心地

弦数は、当然の5弦。弦間ピッチは19mm(ブリッジ部分)、薄めのネックという仕様。俗に言う「まな板」です。

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この仕様から、左手は、ネックを握り込むのではなく、親指をネック裏に当て、挟むようなスタイルであれば、比較的楽に弦を押さえることができます。弦のテンションは、「強くもなく弱くもなく」で、特段気にするところはありません。

さらに写真でもお分かりのとおり、カッタウェイが深く1弦24フレットまで掘られているので、フィルイン等でメロディ取るとき等ハイポジションでのプレイが気持ちよくフィンガリングできます。

24フレット仕様なので、いわゆる「2オクターブネック」で、5弦目をLow Bで低音を求めるか、Hi Cで高音域からのアプローチを狙うか、いずれもお好みでできます。

ネックは安定しており、保管時はペグを半周程度緩めておくだけで、チューニングを合わせた状態でストレートが維持できます。ライブの際も、冬に空調の弱い控室での低音状態から、熱気溢れるステージに出たとき、ネックが弱いと反りが出ますが、本機ではビビリやテンションがきつくなるという症状は出ませんでした。

 

右手は、弦間ピッチが広いので、スラップは弾きやすいです。ただ、24フレット仕様でネックエンドとフロントピックアップの間が、若干狭くなるため、稀にプルを失敗することがあります。

指弾きも、ネック寄りのピックアップをフィンガーレスト代わりに親指を置いて弾いても、弦間ピッチの広さによるストレスは感じません。

コントロールパネルは、上からの配置が、マスターボリューム、バランサー(ピックアップパン)アクティブのバイパススイッチ兼用、上下の大小ツマミにbassとtrebleという、まあ「よくあるタイプ」で、奇抜なところはありません。むしろ、それ故に操作性が良いといえます。

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手に入れやすさ

本モデルは、今でも大手楽器店で購入することができます。

ただ、受注生産なので、数カ月かかるかもしれません。

私は、このカラーがたまたま即納可能であったので、これまで持っていない、ちょい派手な色もいいかなと思い、購入しました。

気になるお値段は、NYCの半額程度の税込約31万円(2019年10月現在)

一生付き合っていける良質なものなので、

 

総合評価

以上の点を踏まえて、個人的な評価を5段階で判定します。数字が高い方が良いです。

・メーカー(ブランド)=所有欲を満たすかな:

・スペック=メーカーの公式仕様:

・外観=やっぱり見た目は大事です:

・持ってみた感じ(第一印象)=重さやバランスはプレイに直結:

・音(トーン)=楽器ですから:

・弾き心地=音が良くても弾きにくいのはねえ:

・手に入れやすさ=良いものでも買えないのはいかがなもんか:

 

以上から、総合評価は、4,57となりました。

 

講評

これ一本あれば、それはもうお腹一杯ベース生活を楽しめます。

ハイエンドとまでは言い切りませんが(そりゃNYCと比べるのは酷というものです)、それでもNYCと同じパーツやスペックで、かつ国産なので、十分に高品質です。

あくまで、ベースは私にとっては趣味の嗜好品であって、商売道具ではないので。